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メコン川流域で10年間に千超す新種発見

2008.12.17

 中国・チベット高原からインドシナ半島を縦断、ベトナムまで続く大河「メコン川」流域で、この10年間に発見された野生生物が1,068種に上るとする報告書を世界自然保護基金(WWF)が発表した。

 報告書によるとこれら新種は519種の植物、279種の魚類、88種のカエル、88種のクモ、46種のトカゲ、22種のヘビ、15種の哺乳類、4種の鳥、4種のカメ、2種のサンショウウオ、1種のヒキガエルで、この中には脚を広げると30センチにもなる世界最大のアシダカグモや、シアン化合物を体内に持つピンク色のヤスデ(dragon millipede)などが含まれている。

 新種の多くは密林と湿地帯で発見されたが、中にはタイのカオ・ヤイ国立公園内にあるレストランの屋根で見つかったマムシ亜科に属するとみられる毒ヘビの一種や、猟師につかまり、地元の市場で売られていたところを科学者に発見されたイワネズミの一種など、予想外の場所で見つかった種も含まれている。このイワネズミは、1,100万年前に絶滅したと考えられていた。

 メコン川流域では1980年代にアンナン山脈で大型哺乳動物の新種発見が相次ぎ、WWFは、世界で最も重要な生態系の一つとして調査、研究を進めている。

 WWFは今回の報告書でメコン川流域の重要性が再確認されたとして、流域に位置する中国、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムが協力して保全に取り組む必要を訴えている。

メコン川流域で発見された新種 イワネズミの1種  (提供:WWFジャパン)
メコン川流域で発見された新種 イワネズミの1種 (提供:WWFジャパン)
メコン川流域で発見された新種 ウデナガガエルの1種  (提供:WWFジャパン)
メコン川流域で発見された新種 ウデナガガエルの1種 (提供:WWFジャパン)

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