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繰り返し使用可能な新型ヒューズ開発

2008.10.28

 自己修復機能を持つことから使用後も交換が不要なヒューズを、新エネルギー・産業技術総合開発機構と大塚信也・九州工業大学大学院准教授が開発した。

 開発された新しいタイプのヒューズは、電極同士を電気的につなぐ導電性粒子と、その周囲を電気的に絶縁する液体絶縁マトリックスで構成されている。過電流が流れると導電性粒子部が分断され、電流が遮断される。ただし、導電性粒子部は電極間に生じた不平等電界によって作用する誘電泳動力で電極間に収集されることから、手を加えなくても再び導電性を取り戻しヒューズとして繰り返し使用できるのが特徴だ。

 この自己回復機能を活用し、宇宙や深海といった人間が近づけない場所でヒューズとして使うことができる、と期待されている。

 また、過電流だけでなく、機械的衝撃力や振動力によっても動作するため、自動車の衝突時や大地震の際に電流を遮断し、火災を未然に防ぐメカニカルヒューズ(防災衝撃用保護素子)としても活用可能とみられている。

 さらに、液体窒素(沸点、零下196℃)中での自己回復機能も確認できており、極低温で作動することが要求される将来の水素社会や超電導利用分野での応用も期待されている。

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