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J-PARC初のミュオンビーム発生に成功

2008.09.29

 茨城県東海村に建設中の大強度陽子加速器J-PARCが26日、初めてミュオンビーム発生に成功した。

 J-PARCは日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構が共同で開発、運用する加速器。大強度の陽子を標的に衝突させたときに発生する2次粒子ビームをさまざまな基礎、応用研究に利用する多目的加速器として内外から大きな関心が寄せられている。

 ミュオンは、中性子、ニュートリノ、K中間子とともにJ-PARCが作り出すビーム4本柱の一つ。湯川秀樹博士が存在を予言した中間子が崩壊したときにできる素粒子で、プラスの電荷を持つものとマイナスの電荷を持つものがある。ナノスケールでの物質の磁気構造や機能解明などに利用でき、マイナスの電荷を持つミュオンは、原子核にあたるとその元素に特有なエックス線を出すことから非破壊元素分析などへの応用も期待されている。

 J-PARCは5月に中性子の発生に成功しており、12月以降の調整運転、試験的利用を経て、来年4月から本格的な研究が始まる予定。

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