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大学発ベンチャー地方が都市圏上回る

2008.08.19

 大学発ベンチャーの数で、地方が都市圏を上回ったことが、経済産業省の調査で明らかになった。この6年間の設立数伸び率でも地方が約3.5倍と都市圏(約2.6倍)を上回っている。

 経済産業省が18日発表した「大学発ベンチャー基礎調査」によると、昨年度末時点で活動中の大学発ベンチャーは、前年より94社増え、1,773社となった。このうち地方が909社を占め、都市圏の864社を上回っている。

 大学発ベンチャーの1社あたり平均売上高は1億5,700万円で、全業種とも前年度と比較して増加しているが、営業利益は依然赤字が続いており、その赤字幅は前年度に比べやや増加している。経済効果は、直接効果(市場規模)で約2,800億円、雇用者数で約23,000人と試算された。

 事業分野をみると、大学の持つ研究成果を活用しやすいバイオ分野が38.6%と最も高いものの、昨年度の新規設立数で見ると31.9%とシェアを落とした。次に多いのはITソフト分野で30.3%。昨年度の新規設立数では33.0%とシェアを伸ばしている。

 ベンチャー設立数の多い大学は、上位から、東京大学、大阪大学、早稲田大学、京都大学、筑波大学以下、上位10位までの顔ぶれ順位ともほとんど変わりがない。しかし、昨年度だけで見ると、上位から岡山大学、東京工業大学、早稲田大学、筑波大学、東北大学の順で、大学ベンチャーの所在する都道府県別でも上位から東京都、岡山県、神奈川県、北海道、茨城県となっており地方の健闘ぶりが目を引く。

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