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短周期地震波のため大被害免れる

2008.07.25

 24日岩手県中部で発生したマグニチュード(M)6.8の地震について地震調査研究推進本部地震調査委員会は、「短周期成分が卓越していたため、加速度の大きさの割に建物の被害が甚大とはならなかった」との評価結果を発表した。

 同委員会によると、太平洋プレート内(二重地震面の下面)で発生したやや深い地震で、付近では2001年に同じタイプの地震(M6.4)が発生している。今回の地震では、盛岡市の観測点で上下成分593ガル、水平成分で1,019ガルという大きな加速度が観測された。しかし、建物などへの影響が少ない短い周期の地震波が主だったため大きな被害が出なかった、とみられる。

 東北大学地震・噴火予知研究観測センターによると、日本列島の下に潜り込む太平洋プレートでは、二重深発地震面と呼ばれる2つの地震発生領域がある。プレート表面から深さ14キロの範囲にある上面と、プレート表面から23キロ以上離れた領域(下面)に分かれて、地震の震源が分布する。

 上面は、プレートが潜り込む報告に向かって圧縮される力を受けていることによって地震が起き、下面は潜り込む方向に引っぱられる力が働いていることによって起きる、と考えられている。今回の地震は下面で発生しており、同センターの解析では、震源から南約15キロの範囲が1メートルほどすべった、と見られている。

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