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水素貯蔵タンク用の新材料開発

2008.05.19

 水素エネルギー時代に不可欠となる新しい水素貯蔵タンク用材料を産業技術総合研究所の蛯名武雄・材料プロセッシングチーム研究チーム長、米本浩一 氏・九州工業大学大学院教授、奥山圭一・津山工業高等専門学校准教授らが開発した。

 新材料は、軽量で強度の大きな材料として航空機などに使われている炭素繊維強化プラスチックに、樹脂を添加した粘土膜を挟んだ構造をしている。粘土膜のために水素ガスを通さない機能を持ち、試験の結果、耐久性にも優れていることが確かめられた。水素ガスバリア材としては、これまでアルミニウムや有機系材料が考えられていたが、炭素繊維強化プラスチックとの接着や重さなどに難点があった。新しい複合材料は、これまで報告されている材料に比べ、水素を閉じこめる能力は100倍以上高く、長さ5メートル、直径1メートル、圧力50気圧の水素タンクを作った場合、水素が漏れる量は、年0.01%に抑えられるという。

 再使用型次世代宇宙輸送システムの液体水素燃料タンクのほか、水素自動車用燃料タンクや燃料電池容器、可搬式の液体水素貯蔵設備など幅広い応用が期待できる、と研究チームは言っている。

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