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科学技術の関心度インターネットで初調査

2008.01.17

 科学技術政策研究所は、初めての試みとしてインターネットを利用した科学技術に対する意識調査を実施、その結果を公表した。

 「科学技術関連問題」と「その他諸問題」に対する関心に大きな差は見られなかった。「関心がある」「やや関心がある」という答えを合わせると、「科学技術関連問題」は、「その他諸問題」とほぼ同じ約8割という結果だった。

 しかし、実際に「科学技術問題」での会話頻度を聞くと、「頻繁に話す」と「ときどき話す」を合わせた答えが、「その他諸問題」については53.9%あったのが、45.0%と明らかに低くなっている。男女別で見ると、科学技術関連問題に関心があるとする答えでは男性が86.2%に対し、女性は74.1%と差が見られたものの、会話頻度になると、男46.2%、女43.8%と男女差は縮まる。むしろ「地球温暖化」「環境汚染」「新しい医学的発見」について見れば、女性の方が会話頻度は高かった。ちなみに「高齢者」や「少子化」といった大きな社会問題に対しても女性の方が会話は多いという結果となっている。

 中学生のころ、理科好きだったと答えた男性は、20代から60代まで60〜70%とほぼ横ばいで世代による違いは目立たなかった。しかし、女性は30代以降こそ36%前後でほとんど変わらないものの、20代は45.7%と高くなっており、若い世代の女性に関しては科学技術に関する関心が30代以降の女性とは異なる結果が出ている。

 インターネットによる調査は、調査対象者が高学歴者に偏るという問題点がある。実際に2000年の国勢調査に比べると、18.3%だった最終学歴中学卒の割合が、今回の調査対象者では1.8%しかなかったという数字で裏付けられている。こうした問題点があるものの機動的に世論を把握するなど調査の目的や調査結果の活用によってはインターネットによる調査は有効、と科学技術政策研究所は言っている。

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