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生物多様性保全で新国家戦略

2007.11.27

沖縄のさんご礁 (提供:WWFジャパン)

 生物の多様性保全のための目標と行動計画を定めた「第三次生物多様性国家戦略」が、27日の閣議で決定される。2002年に策定された「新・生物多様性国家戦略」を5年ぶりに改定したもので、過去100年の間に破壊してきた国土の生態系を100年かけて回復する「100年計画」を長期的視点として提示するとともに、「ラムサール条約登録地を10カ所増やす」、「種の保存法における国内希少種を15種増やす」などの生物多様性保全のための具体的な数値目標を盛り込んでいる。

 「100年計画」とともに、今後5年程度の間に取り組む基本戦略として「生物多様性を社会に浸透させる」、「地域における人と自然の関係を再構築する」、「森・里・川・海のつながりを確保する」、「地球規模の視野を持って行動する」の4項目が掲げられている。

 行動計画に盛り込まれた具体的数値目標には、「『生物多様性』の認知度を50%以上とする」、「23,000の小学校に農山漁村体験」なども含まれている。

 国家戦略の策定は、生物多様性条約が各締約国に対して作成を義務付けている。

 「第三次生物多様性国家戦略」に対しては、環境保護団体「WWFジャパン」が、「わが国の自然環境を概観するのにすぐれた記述となっている。たとえば、今回、沿岸・海洋に関する記述が充実したことは評価できる」とする一方、「生物多様性の保全に直接的に資する数値目標がわずかしかない」などの批判を公表している。

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