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2階建てシリコン薄膜の同時結晶化に成功

2007.08.27

 2層に積み重ねたシリコン薄膜を同時に結晶化することに、浦岡行治・奈良先端科学技術大学院大学准教授らのグループが初めて成功した。

 ディスプレーの役割だけでなく記憶演算機能も持つコンピュータシステムオンパネルが、次世代のディスプレーとして注目されている。しかし、ガラス基盤の上にシリコン薄膜を結晶化して重ねる技術がネックになっていた。

 浦岡行治准教授が、産業技術総合研究所の三村秋男研究員、株式会社アルバックなどと協力してシリコン薄膜の結晶化に成功した方法は、グリーンレーザを用いるのが特徴。グリーンレーザの光の一部は、シリコン薄膜を透過できるため、2層のシリコン薄膜を同時に結晶化することが可能になった。これは2階建ての素子が作製可能になったことを意味する。

 コンピュータの機能を持つシート状ディスプレーのほか、目の不自由な人のための人工網膜の実現にもつながる成果、と浦岡准教授らは言っている。

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