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きく8号の通信機器に異常

2007.02.05

 昨年12月18日に打ち上げられた技術試験衛星「きく8号」の通信機器の一部に電源が安定して入らない不具合が発生した、と情報通信研究機構と宇宙航空研究開発機構が発表した。

 機器を担当した情報通信研究機構は、地上からの電波を受信して増幅する「低雑音増幅器」周辺に異常が発生し、回線がショートして過電流が流れ、それを阻止するため、電源の保護回路が働いて電流の供給をストップさせてしまった可能性がある、との見方を示した。

 この状態が続くと、「きく8号」の目的だった小型移動体通信端末を用いた衛星通信実験は大幅に制限されかねず、両機構では全力を挙げて、原因究明に当たるとしている。

 異常は1月30日に発生した。低雑音増幅器に電気を供給する電源ユニットに電源を入れたところ、電源が安定的に入らない状態が続き、冗長系の電源に切り替えても事態は回復しなかった。電源ユニットの温度を調べたところ、計画値どおりの発熱がなく、電源が定常的に入っていない可能性が高まった。

 情報通信研究機構は、低雑音増幅器、もしくは、この増幅器と電源を結ぶハーネスの異常を電源側が探知している可能性があるとみている。

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