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学術会議のイノベーション検討委が報告書

2007.01.26

 日本学術会議の検討委員会が、政府が策定を急いでいるイノベーション創造のための長期戦略「イノベーション25」の基礎資料となる報告書をまとめ、25日公表した。

 日本学術会議のイノベーション推進委員会が公表した報告書は「科学者コミュニティが描く未来の社会と題し、2025年の日本社会のあるべき姿を想定し、そのために必要となるイノベーションの促進策を提言している。

 「社会のための科学」という考え方をあらためて強調し、「人文・社会科学と自然科学の協働」、「学術研究と実社会の発想の融合」、「学術研究が社会へもたらしうる功罪の双方を想定」が、イノベーションを生み出す学術研究のあるべき姿、としている。

 「健康で安全に生きられる」、「高度に進化した情報・通信システムを駆使した」、「自然を取り戻し、地域が活性化した」、「地球環境とエネルギー問題の解決に取り組む」、「水、食料問題に対応している」社会を、2025年の目指すべき社会を描く大事な視点として挙げた。

 イノベーションを生み出す環境整備として「人材育成」、「研究開発システム整備」、「社会制度設計」の3本柱を挙げ、それぞれ「世界から人材を集める大学院づくり」、「世界レベルの研究拠点大学の構築」、「一般国民と専門家とのコミュニケーション手段の開発」といった数多くの具体策を提言している。

 政府は、日本社会に新たな活力をもたらし、成長に貢献する長期戦略指針「イノベーション25」を策定するため、内閣府に「イノベーション25戦略会議」(座長・黒川清内閣特別顧問)を、昨年10月設置し、既に5回の会合を重ねている。

 今回の報告は、日本学術会議が政府の要請を受け、この戦略会議のための資料としてまとめた。

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