ニュース

白米の祖先は赤い米

2006.08.02

 白い米は、遺伝子の一部が欠損した赤い米からつくりだされたことを、農業生物資源研究所が突き止め、1日、発表した。

 白米がいつから栽培されるようになったかは、はっきりしていない。しかし、今回の研究結果から、もともと赤い色をしていた米の遺伝子に変異が生じたのを、人間が選んで育種し、白い米を作り出したことが明らかになった。

 研究チームは、2004年に日本が中心となり完全解読したイネゲノム情報を利用、米の赤い色には2つの遺伝子がかかわっていることを明らかにした。さらに、この遺伝子を実際に白米のイネに導入することで、このうちの1つの遺伝子(調節遺伝子)がないために赤い色が消えることを、突き止めた。

 色のついた米は、明治時代の中ごろまで日本の各地で栽培されていた。白米に比べ、味はよくないが、赤い色の主成分であるカテキンやアントシアニンが抗酸化機能を持つことから最近になって注目されている。

ページトップへ