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生煮えのアイデアもチームで共有が大事(スティーブン・チュー 氏 / 米ローレンス・バークリー国立研究所長、ノーベル物理学賞受賞者)

2006.12.19

スティーブン・チュー 氏 / 米ローレンス・バークリー国立研究所長、ノーベル物理学賞受賞者

「エネルギーと地球温暖化に関するシンポジウム」基調講演(2006年12月16日、日本学術会議 主催)から

米ローレンス・バークリー国立研究所長、ノーベル物理学賞受賞者 スティーブン・チュー 氏
スティーブン・チュー 氏

 ローレンス・バークリー国立研究所はすばらしい研究所だ。研究をあきらめた人ではなく、活発な研究活動をしている人たちだけを集めている。11人がノーベル賞を受賞しており、そのうちの9人はこの研究所での研究業績で受賞している。(前身のバークリー放射線研究所の所長を務めた)アーネスト・ローレンス(注)は、チームサイエンスという考え方を研究所に導入した。研究は、研究チーム全体の知恵で方向付けられ、専門的な知識に精通した最高の科学者たちによって管理される。挑戦的な研究が求められるが、うまくいかない場合は、速やかに断念し、新しいアイデアにすぐ移ることが必要とされている。研究資金の問題があるからだ。生煮えのアイデアもチームで共有しなければならず、上の人間が、アイデアはチームで共有するという雰囲気を作り出すことが求められている。

(注) アーネスト・ローレンス=サイクロトロンの開発と人工放射性元素の研究により、1939年にノーベル物理学賞を受賞した。

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