英国在住30年以上のフリーランス・コンサルタント山田直氏が、新しい大学の生き方を求め、イノべーション創出、技術移転などに積極的に取り組む英国の大学と、大学を取り囲む英国社会の最新の動きをレポートします。(毎月初めに更新)
【1. はじめに 】
- 2013年8月、英国大学協会(Universities UK)は2013年度版の「Higher education in facts and figures」と題する、英国の大学の統計資料集を公表した。この資料集は、主にHigher Education Statistics Agency(HESA)による2011・12年学年度の統計資料を基にしている。
- 1年前の「英国大学事情2012年第12号」に掲載した2012年版の英国大学協会資料集の更新版として、本年度の同協会資料集を抜粋および一部編集して紹介する。
【2. 主要注目点 】
- 2011・12年度における英国の大学生は約250万名で、その約3分の1がパートタイムの学生であった。
- 2011・12年度に卒業した学生の内、約半数が学士号、17%が学士号以外の学士課程学位(*1) 、約3分の1が大学院コースの学位、2.6%が博士号を取得した。*1. 2年コースのファウンデーション・コースやディプロマなど
- 学士課程の女子学生は工学、コンピューティング、物理科学や数学を学ぶより、語学を学ぶ傾向がある。これらの科学を専攻する学士課程の男子学生の数は、女子学生の3倍以上になる。
- 海外からの留学生は全学生の17%を占め、その内の約半数が大学院コースを専攻している。留学生の内、約3分の1が欧州、43%がアジア、8%がアフリカ、6%が北米、6%が中東、1%以下が南米やオーストラリアの出身である。
- EU域外からの留学生が英国の大学にもたらす収入は、2004年以来、2倍以上に増加した。