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研究評価に日本学術会議の果たす役割は

掲載日:2008年2月29日

日本学術会議の「研究評価の在り方検討委員会」が、対外報告「我が国における研究評価の現状とその在り方について」で第三者評価の必要を提言した(2月28日ニュース「研究活動に第三者評価の必要提言」参照)。

報告の内容には多くの研究者たちが賛同するのではないかと思われる(府省の科学技術政策担当者はどうか分からないが)。報告の中に次のようなくだりがある。

「例えば科学研究費補助金のうちで申請金額が比較的少額な研究課題の種目については、採択審査において当該分野の専門家によるピアレビューが厳密になされている。しかし、科学研究費補助金の特定領域研究、特別推進研究などの種目では、異なる分野の複数の研究課題を、限られた数の委員から構成される審査委員会で評価することになるために、その領域の専門家がいない場合もあり、研究内容の評価を十分に行うことは困難な場合もある。また、基盤研究(S)や同(A)の高額な研究課題は、最終審査が一部を除き書類審査でなされているが、費用対効果を考慮しつつ、ヒヤリングなどの詳細な評価が行われるように改善が求められている」

これは、金額が少ない研究では専門分野の研究者の厳しい評価が行われているのに、大きな研究課題になるほど、中立的な評価(第三者評価)とは言いがたいものになっている、ということではないか。

報告にも書かれているように「重要な研究課題や研究施策は、政策評価法に基づいて評価が実施されており、そこでは各府省による自己評価により評価が行われるようになっている」。「外部の学識経験者の知見を活用する外部評価も推奨され、実際に実施されている場合が多い」とはいえ、「外部評価者の選出は、通常、評価対象となっている重要な研究課題や施策を推進する立場にある、各府省や資金配分機関によって行われている」のである。

報告が提言する「第三者評価」というのは、「評価者の選出や評価方法の決定を被評価者以外の独立した組織が行う」のでなければならない。いくら立派な人を並べたところで、その研究課題、施策を推進する府省や資金配分機関が選んだ人から構成される以上、推進側の意向に全く左右されない「第三者評価」委員会とはみなされない、ということだろう。

報告は、2000年に改組・設立された大学評価・学位授与機構は、大学を対象とする第三者評価機関と認めている。総合科学技術会議は「第三者評価」機関とは見ていない。総合科学技術会議が扱っている重要な研究課題や施策などについては、これらを推進する府省から独立して中立的な第三者評価が実施できるような体制が必要、ということだ。

米国では、政府から独立した科学者団体であるナショナルアカデミーズ(米科学アカデミー、米工学アカデミーなどで構成)が、RANDやSRIインターナショナルといった民間調査機関とともに、重要な研究課題や施策に対する第三者評価機関としての役割を果たしていることを報告は紹介している。

では、日本学術会議自身はどういう役割を果たすべきだ、と考えているのだろうか。

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