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ブーメランはなぜ戻って来る?-大学広報誌拾い読み

2007.08.14

 オーストラリアの原住民が狩猟に使っていた道具で、遠くに飛ばしても再び手元に戻ってくる−。ブーメランについて、その程度の知識は持っているものの、実際に確かめたことはない。そうした人々のため、学生たちが牛乳パックで作ったブーメランで性能を確かめた話が、東京工業大学の広報誌「TechTech〜てくてく〜」第11号に載っている。

 まず、ブーメランについてのやさしい、そして正確な説明がある。「調べてみるとその起源は意外に古く、有史以前から存在していた証拠も見つかっている。ところで、ブーメランというと戻ってくることが大前提だが、実は本来の目的からすれば戻ってこないものなのである。(なぜなら獲物にぶつかったら戻ってこないからだ!!!) 戻ってくるブーメランは、娯楽用、競技用として改良された結果だといえるだろう」

 学生たちのブーメランは、だれでも簡単に作れそうだ。市販の牛乳パックを利用している。平らに延ばした後、折れ目が真ん中に来るような長方形の切片3つを切り出し、それぞれ折りたたんで3つの翼部分をつくる。これら3つの翼の一方の端が中心部に来るようまとめてテープで留める。ちょうど「人」のような形になるように。それぞれの翼に膨らみを付けるために、縦横方向に反りを入れるのが大事なところ。ブーメランが戻って来る原理の一つ、揚力にかかわっているからだ。

 次に説明されているのは、投げ方。漫然と放り投げては、手元に戻ってくるどころか、うまく飛ばない。「ブーメランを右に5〜10度傾け」、「真っすぐ前に向かって」、「回転をかけるように手首のスナップを利かせて」、「腕は縦に振り下ろす」。手元に戻って来させるには、揚力に加え、ジャイロの原理を利用するのが必要ということである。

 詳しくは、東京工業大学広報誌「TechTech〜てくてく〜」第11号「こちら学生企画室−ブーメランを科学する」

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