レビュー

研究費不正受給で問われているのは

2006.09.22

 研究費の不正受給を追跡する読売新聞の連載「科学立国は今−不正を断つために」は、回を追うごとに登場する研究者の発言が、より直截、具体的になっている。

 「これだけ多くの研究者がいるのだから、悪いことをする人が、一定の割合でいると考えた方がいい」。17日朝刊「サイエンス・学び」欄に載っている柳田充弘・京都大大学院特任教授の言葉である。

 「教員の不正などがあると、これに関する議論を一切秘密にするなど、倫理より組織防衛を優先する大学がある。大学の体質を変えようとする流れに背いており、戒めたい」

 ここまではっきり言われては、思い当たる大学もこたえるのではないだろうか。

 この種の問題が、きちんと処理されないまま、いつの間にかあいまいにされてしまう。今回は、そうはいかないようだ。問われているのは、いまや日本の大学に自ら解決、改革する力があるかどうか、に移っているように見える。(読売新聞の引用は東京版から)

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