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冥王星降格、科学って多数決で決まるの?

掲載日:2006年8月25日

久々の"分かり易い"科学ニュースに各新聞は25日の朝刊で国際天文学連合総会の様子を詳しく報道した。日本で、事件・事故以外で科学がこれだけ騒がれるのは日本人によるノーベル賞受賞とスペースシャトル搭乗だけだろう。普段、科学に冷たい民放テレビまで急遽、特派員をプラハに送る騒ぎだ。

今回の一連の報道で、一般人が普通に思う疑問は「科学って多数決で決まるの?」あるいは「決めて良いの?」ということだろう。ガリレオが偉かったのは大多数に背いて「それでも地球は回っている」と主張したからだと、小学校の時、理科の先生に習ったと記憶する。科学が多数決で決まるなら、われわれは未だに天動説の世界に住んでいるはずだ。

こうした素朴な疑問にしっかりと答え、「科学のあり方」まで言及していたのは日本経済新聞の滝順一・科学部長のコラムだ。

「『科学的な事実は一つである』というのが普通の人がもつ科学のイメージだ」、「多数決は普通の人の『科学観』とは相いれない印象だ」で始まり、論争のいきさつを解説。ニューヨーク・タイムズ紙の「山と丘の区別を定義するようなもの。科学的でない問題に科学的な解答を求めている」などを引用して説得力をもたせ、最後に「科学の世界にも政治があり妥協もある。常に一つの結論が出せないこともあるということも含め、科学のあり方を議論する機会になればいい」と結んでいる。

天文学連合の総会内部での駆け引きを詳しく紹介したり、教科書の書き換えやプラネタリウムや科学館の展示変更といった報道が多い中、「天文学」を超えて「科学のあり方」まで捕らえる視野の広さが際だっていた。(日経新聞の引用は東京版から)

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