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災害救助犬の捜索能力を高めるサイバースーツを開発

掲載日:2018年6月1日

犬は私たちにとって親しい友であり、いざというときは頼りになる賢い動物だ。人的な被害が出ている災害現場では、崩れた家屋や土砂に埋もれた人を、優れた嗅覚などを頼りに探し出す。

そんな災害救助犬にも泣き所がある。たとえば、崩れた家の狭い隙間に奥深く潜り、探しているものを見つけてほえても、それが何なのかが、犬に指示を出している人(ハンドラー)に、はっきり伝わらない。見つけたのは、人のにおいがついた衣服なのか、ほんとうの人間なのか。大勢の被害者が出ている場合は、救出の順番を決めるためにも、見つけた人のけがの程度を知りたい。

救助犬の優れた捜索能力を、そうした災害現場で最大限に生かすために開発されたのが、犬の胴体にライフベストのように巻き付けて使えるサイバースーツだ。東北大学未来科学技術共同研究センターの大野和則(おおの かずのり)准教授らのグループが開発し、6月3日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中の「東京国際消防防災展2018」で展示されている。

このサイバースーツの重さは1.5キログラム。犬の動きを妨げないよう、中型犬、大型犬の体重の10分の1以下に抑えてある。スーツのポケットには、犬の位置が分かる全球測位衛星システム(GNSS)の受信機、バッテリー、記録装置などが入っている。カメラもついていて、前方の様子をつねにモニターしている。得られた情報は、ハンドラーや指揮本部にリアルタイムで送られ、タブレット端末で確認できる。

大野さんによると、開発で難しかったのは、これらの機器を、犬の体にフィットして動いてもずれないスーツにまとめる技術だったという。この点には猟犬の位置をモニターする装置を作った経験がある「古野電気」(兵庫県西宮市)が、タブレット端末で見やすく表示するためのソフトウエアの開発には「ドーン」(神戸市)が協力した。

日本救助犬協会(東京都中野区)の認定救助犬に装着して模擬的な瓦礫(がれき)でテストし、実用レベルに達していることを確認したと大野さんは説明している。救助犬のほか、警察犬など他の使役犬への装着も考えられるという。

写真1 大野さんらが開発した災害救助犬用のサイバースーツ(写真はいずれも「東京国際消防防災展2018」で)
写真1 大野さんらが開発した災害救助犬用のサイバースーツ(写真はいずれも「東京国際消防防災展2018」で)
写真2 前方の映像をとらえるカメラ
写真2 前方の映像をとらえるカメラ
写真3 犬の位置や前方の映像を表示するタブレット端末
写真3 犬の位置や前方の映像を表示するタブレット端末
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