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動きを計測する服登場 東京大学発ベンチャーが個人向けで初の製品化

掲載日:2017年7月26日

着用している人の動きをモーションセンサーで計測することができる、ウェアラブル端末の機能を備えた服「e-skin(イースキン)」を開発し、8月から個人向けに販売すると、東京大学発のベンチャー「株式会社Xenoma(ゼノマ)」がこのほど発表した。Xenomaは2015年11月に設立され、e-skinは個人向けとしては初の製品化で、量産体制が確立したために個人向け販売が実現したという。

科学技術振興機構(東京都千代田区)で19日に記者発表したXenomaの網盛一郎(あみもり いちろう)代表取締役CEOによると、e-skinには、東京大学大学院工学系研究科の染谷隆夫(そめや たかお)教授が中心となって開発した、薄く柔らかい布に伸縮性を持った配線や回路を埋め込む技術が用いられた。開発されたこの特殊な布は「Printed Circuit Fabric(PCF・電子回路布)」と名づけられている。

網盛氏によると、e-skinは伸び縮みを検知する14個のモーションセンサーによって、着用するユーザーの動きを計測する機能を搭載しながら、通常の服と変わらない着心地を実現している。着用する人の関節や筋肉の動きによる「ひずみ」をセンサーが検出する仕組みで、動きのデータは胸部に取り付ける「Hub」と呼ばれる端末からbluetooth機能により無線で外部機器に送信される仕組みだ。重さや伸縮性、引っ張った際の耐久性は通常の服と同じで、洗濯することも可能だという。

網盛氏は、現在はゲームのコントローラ、スポーツのフォーム判定などへの活用を想定しているが、将来的には心電や血糖値の計測などへの応用も考えている、としている。

今回の個人向けe-skinは100セット限定で、米クラウドファンディングサイト「Kickstarter(キックスターター)」を通じて、米時間の8月1日から1セット479ドルで販売される。セットにはウェアとHubの他、モーション判定の開発環境と専用のミニゲームアプリがつけられる。

PCFは、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業総括実施型研究(ERATO)の一環として開発が進められた。Xenomaは、2016年4月にJST出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)からの出資により大学発ベンチャーとして事業化を加速し、2017年2月にはe-skinの法人向け販売を開始していた。

写真1 e-skin製品化の発表を行なうXenomaの網盛一郎代表取締役CEO
写真1 e-skin製品化の発表を行なうXenomaの網盛一郎代表取締役CEO
写真2、3 e-skinとHub(ウェア胸部)(左) e-skinとパソコンを接続するデモンストレーション(右)
写真2、3 e-skinとHub(ウェア胸部)(左) e-skinとパソコンを接続するデモンストレーション(右)
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