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海底の長周期地震動を初観測

掲載日:2015年12月2日

海洋研究開発機構(JAMSTEC)と岡山大学、東京工業大学、福井大学の共同研究グループが、兵庫県・淡路島で2013年4月に起きたマグニチュード(M)5.8の中規模地震に伴う「長周期地震動」を、紀伊半島沖の深海底に設置した地震監視システムで観測することに成功した。長周期地震動を海底で観測したのは初めて。高層ビルなどへの影響が大きい長周期地震動の研究に貴重なデータを提供する成果だ。

長周期地震動は、揺れが1往復する周期が2秒から最大20秒ある長くゆっくりとした地震動。震源から遠く離れた場所にも伝わり、揺れが続く時間が長い。建物は高さや形状によって地震動と共振する固有の揺れの周期がある。高い建物は、この地震動が伝わると、震源から遠くても共振して大きく揺れる。東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、震源から800キロ近く離れた大阪府内の高い建物が被害を受けた。観測網が整った陸上ではたびたび観測されているが、大地震が想定される震源域の海底での観測例はなかった。

研究グループは、紀伊半島沖熊野灘の深さ1,900∼4,400メートルの海底に設置した地震・津波観測監視システム(DONET1、20地点のさまざまな観測計で構成)が2013年4月13日に淡路島を震源とする地震の際に捉えた地震データを解析。海底の広い範囲で周期が10秒から20秒に及ぶ揺れを確認した。データを理化学研究所のスーパーコンピューター「京」で分析した結果、東海沖から九州沖までの南海トラフ周辺に広がる軟らかい堆積層が長周期の揺れを生み出していることが分かった、という。

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