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国立環境研究所が「災害環境研究Q&A2015」発刊

2015.05.27

 東日本大震災から4年以上を経たが、未だに復興の基盤となる環境の再生を脅かす懸念材料が多く残されている。そんな状況に対し国立環境研究所は、「災害からの再生を『環境』の視点で支えたい。」として、冊子「災害環境研究Q&A2015」を刊行した。イラストや図を多用した見やすいデザインで、コンパクトにまとめられた全24ページの内容は、同研究所のHPから無料で閲覧できる。

 同研究所は震災直後から、震災による環境汚染と環境回復に関する研究を、「災害環境研究」として続けてきた。原発事故がもたらした放射性物質が、環境や生物に与える影響、汚染廃棄物の処理技術、廃棄物処理を進めるためのシステムのあり方など、緊急性の高い課題に対する研究を続け、その成果を昨年「災害環境研究サマリー2014 被災地の環境回復と創生のために」に著し公開した。今回の冊子は、その内容を一般の人に向けて、よりやさしく、分かりやすく解説したものだ。

 冊子の前半では、社会的に最も関心が高いであろう放射性廃棄物の処理処分の現状や、放射性物質の自然環境での残留状況、人体の被ばくや生物・生態系への影響などを実測データとともに解説し、後半では、将来に目を向け、地域エネルギーを活かす復興のための方法や、災害廃棄物の処理を進めるための知見を紹介している。同研究所は、今後も研究で得た情報を定期的にまとめ、発刊していくという。

写真.冊子「被災地の環境回復と創生のための 災害環境研究Q&A 2015」より。提供:国立環境研究所
写真.冊子「被災地の環境回復と創生のための 災害環境研究Q&A 2015」より。提供:国立環境研究所

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