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早大が小保方氏の学位を猶予付き取り消し

2014.10.08

 早稲田大学は10月7日、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーに2011年に授与した博士号について、不正な方法で学位を受けたと認定し、「取り消しに該当する」と発表した。しかし、早稲田大学の指導、審査体制に不備があった責任を受け止めて、1年程度の猶予期間中に、論文訂正と再度の論文指導を受ける機会を与え、それによって学位論文にふさわしいものになったと判断された場合には、学位が維持されるとした。

 小保方氏は「大学関係者に迷惑をかけ、大変申し訳ない。総長の判断に従う」とのコメントを出し、論文を提出し直して再審査を受ける意向を示した。

 審査の不備などを理由に、小保方氏の指導教員で、博士論文審査の主査を務めた教授を停職1カ月、副査の教授を訓戒の処分にした。鎌田薫総長は管理責任があるとして5カ月間、役職手当の20%を自主的に返上する。

 博士号を授与した早稲田大学先進理工学研究科は10月8日、「今回の事態について真摯に反省し、速やかに指導・審査体制を改善するとともに、研究者倫理教育の一層の充実と徹底に努める。失われた信頼を回復するために、科学に携わる者の使命としての真理の探究という原点に立ち戻り、学位授与機関としての責任を全うする」との決意を表明した。

 小保方氏らが今年1月に英科学誌ネイチャーに発表したSTAP細胞の論文に不正問題が浮上し、細胞の万能性に関する博士論文についても画像や文章の盗用の疑惑が指摘されて、早稲田大学が調査していた。その調査委員会が7月に報告書をまとめ、博士論文に、故意による不正が6カ所あると結論づけたが、「審査過程にも重大な不備、欠陥があった」として「学位取り消しには当たらない」と判断していた。大学がどう対応するか、が注目されていた。

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