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地球に似た惑星を連星系で発見

掲載日:2014年7月8日

地球のような惑星は広大な宇宙にいっぱいあるのかもしれない。そう思わせる観測結果が出た。地球から約3000光年離れた連星系 の片方の星を回る地球に似た惑星を、大阪大学大学院理学研究科の住貴宏(すみ たかひろ)准教授と名古屋大学太陽地球環境研究所の阿部文雄准教授、京都産業大学理学部の米原厚憲准教授らが発見した。

天の川銀河の中心が見えて「世界で最も星空が美しい」とされるニュージーランド・テカポにあるMt.John天文台(標高約1000m)で、名古屋大学が建設したMOA-Ⅱ 1.8m望遠鏡を用いた重力マイクロレンズ現象の観測で見つけた。宇宙での惑星系の研究史に1ページを記す発見といえる。7月3日付の米科学誌サイエンスに発表した。

MOAグループは、太陽以外の恒星の周りを公転する惑星(系外惑星)の探索に取り組んできた。MOA-Ⅱ 1.8m望遠鏡は、アインシュタインの一般相対性理論が予言する「重力によって光が曲がる」という性質のために起こる重力マイクロレンズ現象を利用して観測する。その専用望遠鏡としては世界最高級の性能がある。今回検出した惑星は重さが地球の2倍で、軌道半径は太陽と地球の距離(1天文単位、約1億5000万㎞)と同じくらいだった。

しかし、真ん中の星が太陽の10分の1程度と軽く暗いため、この惑星の温度は約マイナス210℃と非常に冷たく、生命の存在は考えにくい。この星から15天文単位離れた所には、同程度の重さの星があり、連星を形成していた。このような近傍の連星で、地球のような軌道と質量を持つ惑星が見つかったのは初めてという。

太陽以外の恒星の周りを公転する惑星(系外惑星)は1995年以来、1800個以上も見つかっている。これらの惑星の大半は、太陽系のように単独で存在する恒星の周りを回っている。一方、宇宙の星の半分を占めるとされる連星系での観測が難しく、確認された連星系の惑星はこれまで約10例にすぎなかった。連星系中では惑星はあまり形成されないだろうという理論的な予想も、観測を控える要因になっていた。

MOAグループの住貴宏大阪大准教授は「宇宙に連星は多いので、しっかり探せば、太陽ぐらいの質量の星の周りを回り、水や生命も存在できる地球のような惑星が見つかる可能性は十分にある。重力マイクロレンズを利用して、その観測手段を確立した意義は大きい。地球型惑星探索の新しい突破口になるだろう」と話している。

発見された連星系中の惑星の想像図
図1. 発見された連星系中の惑星の想像図
(提供:Cheongho Han, Chungbuk National University, Republic of Korea)

ニュージーランドのMt.John天文台にあるMOA-Ⅱ 1.8m望遠鏡
写真. ニュージーランドのMt.John天文台にあるMOA-Ⅱ 1.8m望遠鏡
(提供:MOAグループ)

重力マイクロレンズによる系外惑星検出の概念図
図2. 重力マイクロレンズによる系外惑星検出の概念図
(提供:MOAグループ)
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