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脳卒中専門医は4割が燃え尽き症候群

掲載日:2014年5月14日

勤務医の過酷な長時間労働は改善が遅れている。日本の脳卒中専門医の 4 割が長時間労働や睡眠・休日の不足で燃え尽き症候群に陥っている危うい状況を、九州大学大学院医学研究院の飯原弘二教授(脳神経外科)と国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部の西村邦宏室長らが調査で明らかにした。「医師の労働条件改善は急務」といえる。5月13日付の米医学誌『Circulation:Cardiovascular Quality and Outcomes』に発表した。

医師が突然やめていく。こうした「立ち去り型サボタージュ」が指摘されだして10年近くたった。背景に医師の疲労や燃え尽き症候群があり、医療事故の誘因として社会問題にもなっているが、日本では全国規模の調査がこれまで少なかった。

研究グループは全国の脳卒中治療に携わる脳外科と脳神経内科の専門医2564人に対し、燃え尽き症候群の客観的指標であるMBIスコアで判定した。41.1%が燃え尽き症候群に該当し、その半分は重症だった。一般市民の燃え尽き症候群が2割前後とされているのと比べると、2倍に上っていた。

長時間労働との関連を調べると、週当たりの労働時間が長い医師ほど、燃え尽き症候群が多かった。労働時間が週10時間増えるにつれて、平均12%ずつ燃え尽き症候群が増加していた。逆に毎日の平均睡眠時間が7~8時間まで1時間増えるごとに、燃え尽き症候群は平均20%ずつ減少していた。休日と経験年数の増加が燃え尽き症候群の減少と関連し、生活の質(QOL)低下や時間外呼び出し、担当する患者数の増加が危険因子となっていた。

脳卒中専門医が多くいて、診療報酬で超急性期脳卒中加算を得ている病院の医師は、燃え尽き症候群の割合が専門医全体の半分になっていた。研究グループは「睡眠時間や休日の増加、労働時間の短縮が、脳卒中専門医の燃え尽き症候群を減らし、医師不足の解消にもつながる」と指摘している。

会社員、公務員、脳卒中診療医師の燃え尽き症候群の割合
図1. 会社員、公務員、脳卒中診療医師の燃え尽き症候群の割合

脳卒中専門医の週当たりの労働時間と燃え尽き症候群の割合の関連
図2. 脳卒中専門医の週当たりの労働時間と燃え尽き症候群の割合の関連

脳卒中専門医の平均睡眠時間と燃え尽き症候群の割合
図3. 脳卒中専門医の平均睡眠時間と燃え尽き症候群の割合
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