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宇宙でも昆虫の変態を若田さんが観察

掲載日:2014年4月16日

宇宙でも昆虫が幼虫からサナギ、成虫へと変態することを、若田光一さん(50)が国際宇宙ステーションの実験で観察した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)とロシア連邦宇宙局との水棲生物共同研究合意に基づき、JAXA とロシア科学アカデミー生物医学問題研究所の共同研究として計画され、生物材料を供給した農業生物資源研究所(茨城県つくば市)とロシアのカザン大学が実験を企画、準備した。農業生物資源研究所などが4月15日、動画とともに実験結果を発表した。

実験に使ったのは、アフリカ半乾燥地帯の花崗岩盤の水たまりに生息する体長0.8センチほどのネムリユスリカ。幼虫を乾燥させると休眠し、水を加えると活動を始める。高度約400キロの地球周回軌道上の国際宇宙ステーション日本実験棟で、若田さんが2月19日に、休眠中のネムリユスリカの乾燥幼虫100匹を小さな水槽に入れた。3時間後には、大半が蘇生して動きだし、2週間後には、6匹のサナギと1匹の成虫になった。宇宙の微小重力下でも、乾燥状態から幼虫が蘇生し、さらに変態も可能であることを初めて示した。

宇宙での幼虫蘇生に伴う遺伝子発現の試料も間もなく届く予定で、そのデータを解析して、地上での蘇生と分子レベルで比較する。実験の中心になった農業生物資源研究所の奥田隆・上級研究員は「ネムリユスリカは乾燥状態で代謝がないまま休眠できる。その特異な存在を私が再発見した。飼育できるよう工夫して、2000年ごろから実験に使っている。今回の宇宙実験は2週間で終わったが、もう少し続ければ、もっと多くのサナギや成虫に変態しただろう。乾燥して休眠させれば、生命維持装置がなくても運べるので、宇宙実験に適している。今後は、宇宙での幼虫の営巣や成虫の交尾などの実験も試みたい」と話している。

宇宙実験に使ったネムリユスリカの幼虫とサナギ
写真1. 宇宙実験に使ったネムリユスリカの幼虫とサナギ
幼虫を小さな水槽に入れると蘇生し動き出すネムリユスリカ
写真2. 幼虫を小さな水槽に入れると蘇生し動き出すネムリユスリカ
(いずれも提供:農業生物資源研究所)
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