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理研がSTAP細胞作製法を発表

2014.03.06

◇追記
 刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得細胞(STAP細胞)を発見したとする成果につき、理化学研究所の調査委員会が2014年3月と12月、研究不正があったと認定しています。論文は同年7月に取り下げられました。

 理化学研究所(理研)は3月5日、新しい万能細胞とされる刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得(STAP)細胞の作製法をホームページと英科学誌ネイチャーの関連リンクで発表した。「科学研究における再現性を含む評価は、科学的根拠を基に研究者社会において検証いただくもの」と強調した。

 理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方晴子(おぼかた はるこ)研究ユニットリーダーらが1月30日付の英科学誌ネイチャーに発表した論文は「スペースの都合上、詳細の記載に限界がある」と釈明して、「多くの研究者が今回の現象を再現するための一助として、細かいノウハウを説明する実験手技解説に取り組んできた。その一環として発表する」としている。

 今回の作製法の解説は、小保方リーダーら3人の連名で出した。STAP細胞作製には、生後1週間以内のマウスを使い、雄の細胞が雌よりも作製効率がよいことを指摘し、酸性溶液による刺激、細胞の培養方法なども解説している。さらにより体系的な実験手技解説も、整い次第、学術誌で発表する予定という。

 一方、ネイチャーの論文で、画像の使い回しや論文の一部の無断転載など不自然な点が指摘されている問題については「さまざまな指摘を真摯に受け止め、所内外の有識者による調査を行っている。調査の結果が出た時点で速やかに公表する」と約束している。

 STAP作製の条件はごく限られており、当初考えられたよりも難しい。世界の研究者が論文を基に追試を試みても、これまではうまく作れなかった。今回の発表は再現実験を促すものだが、誰がSTAP細胞をいつ作製できるかどうか、注目を集めそうだ。

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