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竜巻を発生させた積乱雲の3D動画

2013.09.05

 9月2日午後2時すぎに埼玉県越谷市から千葉県野田市にかけて被害をもたらした竜巻について、防災科学技術研究所はこの竜巻を引き起こした積乱雲の立体動画をコンピューターで再現し、被害の調査結果とともにホームページに公開した。

 立体動画は、防災科学技術研究所が神奈川県海老名市と千葉県木更津市に設置している「XバンドMPレーダー」の観測結果を基に2分ごとに再現した。それによると積乱雲は2日午後1時30分には、高さ約10キロメートルに達していたが、越谷市付近に西南西方向から接近しながら急速に発達し、竜巻が発生したとみられる午後2時ごろには高さ15キロメートルを超えた。積乱雲の中で雨や氷の粒が密集し、毎時100ミリメートルの降雨強度を持つ領域も、午後2時には地表付近まで降りていた。

 積乱雲は毎秒十数メートルで移動し、竜巻は積乱雲の最盛期から衰退期へと移るタイミングで、積乱雲の南東端に位置する秒速30メートルの強風域で発生していたと考えられるという。

 この竜巻による被害は、越谷市と同県松伏町、千葉県野田市を中心に住家損壊608棟、負傷者64人に及んだ(3日午前10時現在)。竜巻被害はその後、4日午後にも栃木県や三重県でも相次いで発生している。

 防災科学技術研究所では、今後もさらに積乱雲の中の上昇気流や降水粒子の詳細な構造を解析し、竜巻が発生する条件や予測につながる研究を進める。

竜巻を発生させた積乱雲の立体動画の一部 14:10

竜巻を発生させた積乱雲の立体動画の一部
(提供:防災科学技術研究所)

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