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セメダインや金鳥も“未来技術遺産”に

掲載日:2013年9月4日

国立科学博物館(東京都台東区)は、国民の生活や社会に大きな影響を及ぼし、科学技術史的にも重要な成果として未来へ引き継ぐべき「重要科学技術史資料」(愛称、未来技術遺産)に、世界初のレコード用の直接駆動式ターンテーブルや世界最薄のカード電卓、世界初の除虫菊を含む蚊取り線香など22件を新たに選んだ。2008年の初選定以来、登録資料は計135件となった。

資料の所有者への登録証と記念盾の授与式は9月10日同館で行い、一部の実物資料を展示する。さらに、登録資料のパネル展示を同日から10月12日まで、同館・日本館1階センターホールで行う。

今回選定の登録資料・製作年、概要説明、所有者は次の通り(登録番号順)。

  • 放送用4ヘッド可搬型多目的記録再生装置「SV7400B」(1976年):どこでも使えるようになった放送局用ビデオ。収録専用機としての運用に加えて再生機能も充実し、映像プロセッサーとの連結により、中継番組制作などでの標準VTRとなった。(NHK放送博物館)
  • 日本最初期の計数形電子算機「TAC」(1959年):日本最初期の真空管式デジタルコンピューター。真空管7,000本、ダイオード3,000石、ブラウン管メモリ16本が用いられ、記憶容量は18,000ビット、クロック周波数は330kHzで、当時としては非常に高速だった。(東芝科学館)
  • 機械翻訳実験用計算機「KT-1 (Kyushu Translator-1)」(1958-59年頃):日本初の日・英・独の3カ国語の相互翻訳用のコンピューター。言語理論に自然文の構成要素を直接的に分析する「直接構成要素法」を採用し,要素の間に構造的な関係性があるとする「句構造文法」の先駆けとなった。(九州大学大学院)
  • 塩化ビニール製造装置「塩化ビニールテスト重合機〈5000L〉・塩化ビニール重合機・塩化ビニール反応1号炉アセチレン発生器」(1950年):量産初期の塩ビ樹脂製造装置(株式会社カネカ)
  • 産業用ロボット「FANUC ROBOT MODEL1」(1977年):大幅な低価格化で普及に貢献した産業用ロボット。“ロボット大国”日本への契機となった。(ファナック株式会社)
  • 量産型カラーテレビ「D-21WE」(1960年):現存する日本最初期の市販・量産型カラーテレビ。1960年のカラーテレビ本放送の開始に合わせた製品。重さ88キログラム。価格は52万円だった。(東芝科学館)
  • 日本初の水素冷却発電機「64700kVAタービン発電機(TAF-2P-64700kVA-3600rpm-HCH-13200V-60Hz-0.85pf)」(1953年):発電機の冷却に水素を用いることは技術的に困難だったが、独自の設計で課題を解決して製作した。(株式会社東芝)
  • 世界最薄のカード電卓「カシオSL-800」(1983年):厚さ0.8ミリメートルは現在も世界最薄だ。当時の価格は5,900円。電卓の小型化、薄型化の一つの最終形として、ニューヨーク近代美術館(MOMA)にも収蔵されている。(カシオ計算機株式会社)
  • 肩掛け携帯電話「ショルダーホン〈100型〉」(1985年)、携帯電話「TZ -802B」(1987年):日本初の携帯電話、ともに商用機としての原点となる2機種だ。100型は重さ3キログラム、連続通話時間約40分。TZ -802Bは重さ約900グラム、連続通話時間約60分。(株式会社NTTドコモ)
  • 岩室発電所「1万馬力フランシス水車」(1915年):日本で初めて出力が1万馬力に達した国産フランシス水車。利根発電岩室発電所で1963年まで稼働した。(㈱日立製作所電力グループ)
  • デジタルカメラ「FUJIX DS-X」(1990年):世界で初めて市販されたデジタルカメラ。販売価格は周辺機器を含めて160万円。テレビ再生用で画素数は40万画素だった。2MBのメモリーカードに、JPEG以前のADPCM方式圧縮で6枚の画像が撮影できた。(富士フイルム株式会社)
  • 「ベータ型炭化ケイ素粉末」(1979年):高性能ファインセラミックス材料(イビデン株式会社)
  • 国産の「発電用1号ガスタービン」(1949年):日本初の発電用ガスタービン。設計出力1,640キロワット(2,200馬力)、熱効率約13%。(海上技術安全研究所)
  • ニトロセルロース系ラッカー「セルバ色見本帳 1953版」(1953年):日本初のニトロセルロース系ラッカー「セルバ」の塗色56色を収録する。(関西ペイント株式会社)
  • プレハブ住宅「セキスイハムM1」(1971年):世界で初めて市場で成功したボックスユニット・プレハブ住宅(積水化学工業株式会社)
  • 国産最初期のパンチカード「レミントン統計カード」(1938年)、「IBM統計カード」(1945年):情報化時代の草分け(特種東海製紙株式会社)
  • 吸入ガス発動機の関連資料一式「製作命令簿〈計37冊〉(1907-68年)・吸入瓦斯発動機取扱書(1908年)・吸入瓦斯発動機営業目録(1909年)・吸入瓦斯発動機カタログ(1911年)」:日本最古級のガスエンジン資料。内燃機関の国産化の最初期を伝える。(ダイハツディーゼル株式会社)
  • 世界初のレコード用ダイレクト・ドライブ(直接駆動、DD)方式ターンテーブル「SP-10」(1970年):レコードを乗せたターンテーブルをモーターと同じ速度で回転させる。テープレコーダーなどのAV機器のDD化の起点となった。(パナソニック株式会社)
  • 日本初のカラーフィルム「さくら天然色フィルム」(1941年):1940年に小西六(現コニカミノルタ)が開発・製造した「外式発色現像方式カラーリバーサルフィルム」(コニカミノルタ株式会社)
  • 日本初の合成接着剤「セメダインC」(1938年):ニトロセルロースが主成分。性能や作業性のよさ、仕上がりの美しさは当時の世界レベルだった。(セメダイン株式会社)
  • ワイヤーロープ製造機械「張打式製綱機」(1889-92年):英国から輸入された日本に現存する最古のワイヤーロープの製造機械。日本の製綱産業発達の礎を示す。(東京製綱繊維ロープ株式会社)
  • 世界初の除虫菊を含む蚊取り線香「棒状蚊取り線香〈金鳥香〉」(1911-14年)・「渦巻き型蚊取り線香〈金鳥の渦巻〉」(1919-25年)・渦巻き型蚊取り線香の試作木型(1895年)・機械式の手巻き用線香押し出し機(明治末期)・蚊取り線香の戦前の海外向けポスター群(1930-40年)・「除虫菊栽培書」「日本の除虫菊」(1896年)・木製線香突き(1902年):「大日本除虫菊株式会社」創業者の上山英一郎が、日本古来の仏壇線香の製造技術を生かして、1890(明治23)年に世界初の蚊取線香を発明した。(大日本除虫菊株式会社)
日本最初期の市販・量産型カラーテレビ「D-21WE」
日本最初期の市販・量産型カラーテレビ「D-21WE」
ショルダーホン<100型>
ショルダーホン<100型>
携帯電話「TZ-802B」
携帯電話「TZ-802B」
(国立科学博物館 プレスリリースから)
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