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音のリズムを取るチンパンジー

掲載日:2013年4月1日

電子キーボードをタッピングする「アイ」
電子キーボードをタッピングする「アイ」
(提供:京都大学霊長類研究所)

ヒトと同じようにチンパンジーも、音のリズムに合わせて電子キーボードの鍵盤をたたけることが分かった。京都大学霊長類研究所(愛知県犬山市)の松沢哲郎教授や友永雅己准教授、服部裕子研究員らがチンパンジー「アイ」(雌、36歳)を使い実験したもので、自発的にリズムに合わせる同調行動を確認したのは、ヒト以外の霊長類では初めてという。

研究グループは、「アイ」のほかにアイの息子「アユム」(雄、12歳)、別の雌「クレオ」(12歳)の3頭に対して、右手の人差し指で電子キーボードの高い方の「ド」の鍵盤、低い方の「ド」の鍵盤を交互に30回タッピングするよう訓練した。その後、タッピングの最中に0.4秒間隔と0.5秒間隔、0.6秒間隔さらにランダム間隔で、一定のリズムの「ソ」の音をキーボードから流し、それにタッピングが同調するかを調べた。

その結果、3頭のうちアイだけが、0.6秒間隔の音に対しタッピングが同調した。間隔がランダムな音の場合には同調しなかったことから、個々の音にアイが反応していたのではなく、一定のテンポをもつリズムに反応していたことが示唆された。

こうした同調行動は、ヒト以外では、複雑な音声学習をする鳥類でしか確認されていなかった。今回の研究結果は、ヒトの“非言語コミュニケーション”としての同調行動がどのように進化してきたのかを探る上で、重要な手掛かりになるという。

研究論文“Spontaneous synchronized tapping to an auditory rhythm in a chimpanzee” は英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に掲載された。

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