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大陸のPM2.5が越境汚染

掲載日:2013年2月25日

シミュレーションモデルで計算されたPM2.5地上濃度と地上風。図中の矢印は向きと長さで 風向風速を表し、色は青(10μg/m3)から赤(140μg/m3)でPM2.5濃度を示す。
(提供:国立環境研究所)

中国での大気汚染の原因となり、日本への影響も心配される「微小粒子状物質」(PM2.5)について、国立環境研究所は全国の一般環境大気測定局での今年1月1日から2月5日までの観測データを分析した。その結果、日本の環境基準値(1日平均1立方メートル当たり35マイクログラム)を超えた大気測定局が1カ所以上あったのは16日で、特に九州北部や瀬戸内地域をはじめとする西日本で高濃度のPM2.5が観測された。原因として「大陸からの越境大気汚染」が考えられるという。

同研究所は、環境省の大気汚染物質広域監視システム(愛称:そらまめ君)の一般環境大気測定局(全国1,581局)のうち、1日に20時間以上測定した「有効測定局」のデータを基に、全国のPM2.5濃度の概況を調べた。24道府県169局のうち、1月1日から2月5日までに1カ所でも基準値を超えた日は16日あり、17府県に及んだ。基準値の超過局が多かったのは1月13、30、31日と2月1日だった。13日には148局中の40局(27%)、31日は155局中48局(31%)が超過した。

PM2.5高濃度地域は西高東低の傾向を示し、特に13日は九州中部・瀬戸内・近畿・関東北部、30日は九州北部・北陸、31日は九州北部・瀬戸内、2月1日は九州中部・瀬戸内・東海で高かった。主に九州北部や瀬戸内地域などの西日本で高濃度が発生し、東海や関東北部でも都市域スケールで高濃度になったと考えられる。

また、環境基準値の超過局が特に多かった日の大気シミュレーションでは、大陸で発生したと考えられるPM2.5の高濃度気塊が北東アジアの広域を覆い、その一部が日本列島に及んでいる様子が示された。

これらのことから日本での今年1月から2月初めのPM2.5高濃度現象は、2007年5月に発生した光化学オキシダントの高濃度現象や11年2月上旬のPM2.5高濃度現象と同様に、大陸からの越境大気汚染が影響していた可能性が高く、大都市圏では越境汚染と都市汚染が重合して濃度が上昇した可能性があることが分かったという。

※微小粒子状物質(PM2.5):大気中に漂う粒径2.5マイクロメートル(1マイクロメートル=0.001㎜)以下の小さな粒子のこと。粒径が髪の毛の太さの30分の1程度と非常に小さいため、肺の奥深くまで入りやすく、肺がんや呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が懸念される。粒子には▽物の燃焼などによって直接排出されたもの▽硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)などのガス状大気汚染物質が、環境大気中での化学反応により粒子化したもの – - がある。発生源としては、ボイラーや焼却炉などのばい煙を発生する施設、コークス炉や鉱物の堆積場などの粉じんを発生する施設、自動車や船舶、航空機などといった「人為起源」のもの、土壌や海洋、火山などの「自然起源」のものがある。(環境省ホームページから)

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