2日の各紙朝刊によると、1997年に起きた東京電力女性社員殺害事件で東京高等裁判所の再審開始決定に対する異議申し立てが棄却された東京高等検察庁は2日、最高裁判所に特別抗告しないことを明らかにした。これで再審が確定した。
各紙の報道によると、再審で東京高検はあらためてネパール国籍、ゴビンダ・プラサド・マイナリさんの有罪を主張するとしているが、これまでの例からみて無罪の見通しが高い。
東京高裁が再審開始とマイナリさんの無期懲役刑の執行停止を決定したのは6月7日。この決定に対し東京高検は異議申し立てをしたが、7月31日東京高裁はこれを棄却し、東京高検の対応が注目されていた。
日本弁護士会は東京高裁の再審開始決定が出た6月7日に山岸憲司会長名の声明を公表し、「検察官による証拠の不開示が冤(えん)罪を生み出した」ことを批判するとともに、検察が決定に対する異議申し立てを行わないよう求めている。
再審開始決定に際しては、被害者の体に残されていた体液と現場から見つかった体毛がマイナリさん以外の同じ第3者のもの、と東京高検の実施したDNA鑑定で確認されたことが決め手になった。
関連リンク
- 日本弁護士会「『東電OL殺人事件』再審開始決定に関する会長声明」