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建築確認申請不要の小型植物工場販売へ

2012.03.22

 大和ハウスグループは21日、植物工場の小型ユニットを売り出すと発表した。

 天候にかかわらず必要な量の野菜が確保できることに関心を持つ外食産業を販売対象としている。床面積を10平方メートル以下に収めていることから、建築確認申請が不要。将来は、ビジネスホテルや高級レストラン、分譲マンション、コンビニエンスストアなどにも販路を広げたい、と同グループは言っている。

 4月5日から売り出される小型ユニットは、コンテナを思わせる造りで、蛍光灯による照明により葉菜類を中心とする野菜の水耕栽培が可能。市販の種子や水耕栽培用肥料が使える。高級タイプと標準タイプがあり、高級タイプは照明器具昇降システムを備えており、野菜の生育状況に適した照度に調節できることから、標準タイプに比べ消費電力を20%節約できるという。

 人工照明を使った植物工場は、大阪府立大学などで研究が進んでいる。生育状態に応じてLED光源の種類を変えることで、露地栽培に比べ収量を10倍高めるだけでなく、カロチンやビタミンC、ポリフェノールといった有用成分に富む野菜ができることが確かめられている。

 日本学術会議は昨年6月に公表した報告「知能的太陽光植物工場の新展開」の中で、オランダなどの成功例を引き、植物工場の目指す環境制御型農業を育てる意義と方策を提言している。

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