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米原子力規制委員会ベント機能の改良命令

2012.03.12

 米原子力規制委員会(NRC)が9日、沸騰水型原子力発電所のマーク1、マーク2型について、ベント機能を改良するよう商用原発事業者に命じた。

 マーク1、マーク2型沸騰水型原発は、米ゼネラル・エレクトリック(GE)社製で、昨年3月事故を起こした東京電力福島第一原発1-4号機はマーク1型。

 NRCの命令は、福島第一原発事故後の原発安全規制見直しの一環として出された。使用済み燃料プールに性能を強化した水位計の設置などを求めた他の2命令(全ての商用原発が対象)とともに出された。いずれも、2016年12月末までの実施を求めている。

 福島第一原発1-4号機にはベント機能はついていたものの全電源喪失により、当初、弁を中央制御室から開ける操作ができなかった。二つのうちの一つの弁を手動で開けるなどの非常手段で格納容器爆発という最悪の事態は辛くも避けられたものの、作業員たちは放射線レベルの高い原子炉建屋内で過酷な作業を強いられた。

 政府は昨年6月、国際原子力機関(IAEA)閣僚会議に提出した報告書で、格納容器のベントシステムについて「操作性に問題があり、放射性物質除去機能が十分でなかったため、アクシデントマネジメント対策として効果的に活用できなかった。さらに、ベントラインの独立性が十分でないため、接続する配管などを通じて他の部分に悪影響をもたらした可能性がある」と認めていた。

 東京電力も昨年8月、定期点検中にもかかわらず4号機の原子炉建屋で水素爆発が起きた原因について、3号機格納容器のベントの際、外に放出されるべきガスが4号機の原子炉建屋に逆流したことによる可能性が高いことを認めている。

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