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通信量増大に対応可能な超小型光トランシーバー開発

2012.03.02

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は1日、空冷で作動する超小型光トランシーバーを世界で初めて開発することに成功した、と発表した。

 高速インターネットやスマートフォンの普及に伴うネットワーク上の急速な通信量増大に対応するには、光技術の導入が急務とされている。新しく開発された超小型光トランシーバーは、電気信号を光信号に変換した後に、光信号により回路基板を接続する機能を持つ。光信号を利用することで、電気信号だけによる接続に比べ通信速度を大幅に上げることが可能になる。

 新しく開発された超小型光トランシーバーは、これまでの光トランシーバーが水冷を必要としたのに対し、空冷で100Gbps(1秒間に1,000億ビットのデータ送信が可能)という高速の処理能力を持つ。消費電力もわずか2ワットで大きさも指先に乗るほどのサイズだ。

 LAN(構内情報通信網)スイッチやルーターなどのネットワーク機器が消費する電力は、2025年に2006年の13倍に急増し、国内電力消費量の8.5%を占めると予想されている。NEDOは2007年から5年間「次世代高効率ネットワークデバイス技術開発プロジェクト」を実施し、超小型光トランシーバーの開発はその成果の一つ。プロジェクトには、技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)、アラクサラネットワークス株式会社、国際超電導産業技術研究センター、産業技術総合研究所、NHK、光産業技術振興協会が参加した。

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