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赤ちゃんは人の顔色を見て育つ!?

掲載日:2012年2月22日

「この人は何を考え、何をしようとしているのか――」。ヒトの赤ちゃんは、他者の顔色を見ながら行為を理解し、学習していることが、京都大学大学院教育学研究科の明和(みょうわ)政子・准教授(発達科学)や京大霊長類研究所の平田聡・特定准教授(比較認知科学)らのチンパンジーとの比較実験で分かった。21日付の英オンライン科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表した。

ヒトの生後8カ月と12カ月の乳児30人、成人15人、チンパンジー(5-15歳:人間の小学生から高校生に相当)6頭に、女性がペットボトルのジュースをコップに注ぐ動画を見せ、「アイ・トラッカー」という視線検出装置でそれぞれの視線の先や動きを調べた。

チンパンジーは、ヒトの成人と同じく、ジュースが注がれる前に動きを予測してコップに視線を集中させたのに対し、ヒトの乳児はコップよりも長時間、女性の顔を見ていた。チンパンジーは物と物との因果関係に注目して、その人の行動(目的)を予測し理解するが、人間は顔の表情と物の情報を合わせて予測、理解していると考えられる。

明和准教授は「ヒトは他人の顔色を見て、心の状態をも推測して、次の展開を予測する。これは複雑な社会環境に適応するために、独自に獲得した学びのスタイルだ」としている。

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