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ネオジム磁石開発の佐川眞人氏らに日本国際賞

掲載日:2012年1月25日

国際科学技術財団は25日、今年の日本国際賞を、世界最高性能の永久磁石「ネオジム磁石」の開発者で、モーターの大幅な省エネを実現した佐川眞人氏と、分子標的治療薬開発の道を開き、白血病治療などを可能にした米国の3氏に贈ると発表した。

「環境、エネルギー、社会基盤分野」の受賞者、佐川氏は、1982年それまで最も高性能の永久磁石だったサマリウム・コバルト系磁石の約2倍も強力なネオジム・鉄・ホウ素系磁石(ネオジム磁石)の組成を発見した。その後、さまざまな技術的工夫を加え、これ以上の永久磁石材料は今後、簡単には見つからないだろうといわれる製品にまで高めた。

ネオジム磁石を用いたモーターは小型軽量で高性能のため、コンピュータ用ハードディスクからエアコン、冷蔵庫、工作機械、風力発電機、ハイブリッドカー、電気自動車など幅広く使われており、大幅な電力使用量の低減に貢献したことも授賞理由となっている。佐川氏は88年に設立したインターメタリック社の社長として、ネオジム磁石のさらなる高性能化、汎用化に取り組んでいる。

「健康医療分野」の受賞者の1人、ジャネット・ラウリー・シカゴ大学特別教授は、慢性骨髄性白血病患者の白血球で9番染色体と22番染色体が組み換えを起こしていることを発見した。この発見を基に染色体の組み換えの結果できた特殊な酵素が、慢性骨髄性白血病の原因であることが明らかになった。他の2人の受賞者であるブライアン・ドラッカー・オレゴン健康科学大学教授とニコラス・ライドン・ブループリントメディスン社取締役は、この特殊な酵素の働きを抑える化合物「イマチニブ」を発見した。

イマチニブは、現在、慢性骨髄性白血病をはじめ10種類のがんの治療薬として使われている。ドラッカー、ライドン両氏が切り開いた、がんに特有な分子に働いてがん細胞の増殖や転移を抑える薬を開発する手法は、分子標的と呼ばれ、その後のがん治療薬開発のモデルとして医療技術分野に大きく貢献している。

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佐川 眞人 氏 ジャネット・ラウリー 氏 ブライアン・ドラッカー 氏 ニコラス・ライドン 氏
(提供:国際科学技術財団)
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