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ベトナムのジャワサイ絶滅 最後の1頭密漁の犠牲に

2011.10.26

 ベトナムに生存していた最後のジャワサイが密漁で殺され、ベトナムに生息するジャワサイは滅亡した、と世界自然保護基金(WWF)が25日、発表した。これでアジア大陸からジャワサイは姿を消し、生き残っているジャワサイはインドネシア・ジャワ島西部の50頭だけになった、とWWFは言っている。

 ジャワサイの絶滅を防ぐため、ベトナム政府は1992年に保護区を設け、さらにこの保護区をカティエン国立公園に併合して、生息域の保全を図っていた。WWFもベトナム政府に協力して保護活動が進められたが、2004年にカナダのクイーンズ大学が調査したところ、2頭の生存が確認されただけと状況はさらに悪化していた。

 その後、WWFの調査で2010年4月までにジャワサイの足跡と22のふんが確認されていた。しかし、今年4月にカティエン国立公園内でジャワサイ1頭の死体が見つかり、遺伝子調査の結果、見つかっていたふん全てがこのジャワサイのもであることが分かった。サイは角を狙った密漁の対象になっており、このジャワサイも角は切り取られ、脚の骨から銃弾が見つかっている。2010年までに確認されていたふんからはこのサイ以外の遺伝子は見つかってなく、殺されたのはベトナムで生き残っていた最後のジャワサイとWWFは判断した。

 スマトラ島とボルネオ島の熱帯林に生き残っているスマトラサイの生息数も、推定で300頭余と厳しい状況にある。

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