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ドイツ衛星落下の恐れ 文科省フェイスブックで情報提供

2011.10.20

 ドイツ航空宇宙センター(DLR)は、21日から24日の間にX線観測衛星ROSATが大気圏に再突入する見通しであると発表した。ROSATは大気圏で燃え尽きず、日本を含む北緯53度から南緯53度までの広い地域に破片が落下する恐れがある。落下物で人がけがをする可能性は、2,000回再突入すれば1回起こりうる程度だとしている。

 ROSATは1990年6月に打ち上げられ、数々の科学的成果を挙げたが、99年2月に運用を終了し、停止した。当初は高度585-565キロの楕円(だえん)軌道で観測を実施していたが、大気抵抗により徐々に降下し、2011年6月には高度約327キロまで落ちてきている。推進システムを搭載していないため、軌道制御はできない。

 時速約28,000キロで大気圏に再突入する場合、X線観測機器は粉々になり、その一部は高熱で燃え尽きてしまうが、最大総量1.7トンになる30個の残骸が地表に到達する可能性があるという。鏡、炭素繊維強化複合材料でできた支持構造物などのX線光学システムやその一部などが、地上に落下する最も重い単一の部品になる。破片が地表に到達する場合、そのスピードは最大時速450キロになる。

 ドイツでは、米国の宇宙監視網からデータ提供を受けるほか、フラウンフォーファー高周波物理・レーダー技術研究所の追跡画像レーザー施設などでも観測を行っており、正確な再突入時期や範囲などを特定していくという。

 文部科学省はフェイスブックを通じて、日本語によるROSATに関する情報提供を行っている。

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