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サムスンと薄膜トランジスタ特許ライセンス契約

掲載日:2011年7月20日

科学技術振興機構と韓国のサムスン電子株式会社が20日、薄膜トランジスタに関する特許のライセンス契約を締結した。細野秀雄・東京工業大学教授が、科学技術振興機構の創造科学推進事業(ERATO)と戦略的創造研究推進事業発展研究(ERATO-SORST)の研究総括責任者として自身のアイデアを実現した透明アモルファス酸化物半導体「IGZO(インジウム-ガリウム-亜鉛-酸素)」にかかわる特許で、サムスン電子は既にIGZOを用いた70インチの液晶ディスプレイ試作品を昨年11月国際会議で発表している。

今回のライセンス契約は、独占契約は結ばず、内外の企業を公平に扱う、という科学技術振興機構の基本方針に沿って成立した。契約内容の詳細は明らかにされなかったが「機構側が売上高の数%をサムスン電子から受け取るという前例にならったものだ」と同機構は言っている。特許の中身は、機構が所有する核となる特許のほかに、機構以外の関連の特許も含まれている。

細野氏が開発した透明アモルファス酸化物半導体「IGZO(インジウム-ガリウム-亜鉛-酸素)」は、「ガラスが半導体になるはずはない」という学界、産業界の常識をくつがえしただけでなく、現在、薄膜トランジスタや太陽電池に使われているアモルファスシリコンに比べて、電子移動度が20倍も高いのが特徴。大型ディスプレイに使用した場合、「少ない消費電力で、応答が速く、高解像度でコントラストも鮮明な画面が期待できる」(北澤宏一・科学技術振興機構理事長)という。

記者発表に同席した細野氏は、氏の研究成果が次世代大型ディスプレイの最有力薄膜トランジスタに発展する上で、サムスン電子が決定的な役割を果たしたことをたたえるとともに、日本企業が同じことができなかった理由を資金投入力の違いと、説明した。

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