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日本学術会議も『政策のための学術活動』重視

掲載日:2011年7月11日

日本学術会議は8日、「日本学術会議の機能強化について」という報告を公表、この中で「より良い政策のための助言・提言」を行う「政策のための学術の活動」を重視する考えを明らかにした。助言・提言には、政府の実施した政策についての評価とそれに基づく是正の提案などを含む。

こうした活動を積極的に進める上で、政府との連携の必要もうたっている。「政府の現状認識、問題の把握などにつき、政府とできるかぎり十分な情報共有と意見交換を行い、助言・提言が有効かつ適切に形成できる基盤を構築する」とする一方で、「科学者コミュニティーを代表して、政府の政策に対し批判的な助言・提言を行うことのできる関係を構築しなければならない」と独立性を重視する姿勢も示した。

日本学術会議は、世界の科学アカデミーとともに連名で主要国首脳会議に向けて共同声明を発表するなど日本の科学者の代表機関として国際的に認められている。しかし、米国の科学アカデミーや英国の王立協会などと比べると、影響力は明らかに見劣る。報告は、予算規模がはるかに小さいことが大きな制約になっていることを挙げ、「日本学術会議への国民および政府の期待を大きくすることこそ、予算の充実への確実な道である」としている。

予算規模が貧弱な背景には、例えば米国の科学アカデミーが「国から独立し、米国で最も権威あるシンクタンクになっている」(唐木英明・日本学術会議副会長)のに対して、日本学術会議は、政府から調査や検討を求められること自体が非常に少ない現実がある。報告は「各府省からの諮問や審議依頼に関連して積極的に予算要求を行うことも追求する」と、政府に対する助言・提言活動を活発化することで予算の拡充も併せて図る方向を示した。

日本学術会議は、東日本大震災に対して多くの提言を発表するなど一定の対応をしたものの、新聞、テレビに大きく取り上げられることは少なかった。報告は、機能強化の具体策として、広報担当の会長補佐を置き、この会長補佐を委員長とする「広報企画委員会」(仮称)を設置することや、ジャーナリズムとの協力関係を促進する考えも打ち出している。

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