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福島第一3号機も海水注入 原子炉建屋に水素漏出懸念

2011.03.13

 枝野官房長官は13日午後、記者会見し、福島第一原子力発電所3号機の圧力容器に水とホウ酸を注入する作業中にトラブルが生じ、圧力容器内で生じた水素が格納容器を経由して、原子炉建屋内に漏出、建屋上部にたまっている可能性があることを明らかにした。

 給水ポンプが故障したのが原因で圧力容器の水位が下がり、燃料の一部が露出したことによる。真水の注入を海水に切り替えたことで、水位は再び上昇しているという。

 枝野長官は、午前中の記者会見で、同日午前9時20分に格納容器から空気を放出したことを明らかにした。注水機能が停止して圧力容器の水位が低下、燃料の一部が露出した可能性があるための措置で、放出された空気には微量の放射性物質が含まれているが、放出直後の放射線量測定値は問題となるような数値でないことを強調していた。

 同長官は、格納容器からの空気放出に併せて、圧力容器内に水とホウ酸を注入したことと、これら一連の対応が圧力容器内で燃料が露出したことで燃料の一部に損傷が起きている可能性があることを想定したものであることも明らかにしていた。

 1号機に続いて3号機も原子炉建屋内でたまった水素が酸素と反応し、爆発的な現象が起きる心配に加え、海水注入で廃炉にせざるを得ない可能性が出てきたが、枝野長官は「海水を注入することで、運転再開が困難になるという認識は持っている」と語った。

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