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ナノチューブの新しい作製法

掲載日:2011年3月1日

新しいセンサー材料や電子デバイスなどへの応用が期待されているナノチューブの新しい作製法を、京都大学と高輝度光科学研究センターの研究グループが開発した。

京都大学大学院理学研究科の北川 宏・教授、大坪 主弥・研究員らは、金属イオンや有機分子から成る金属錯体をつなぎ合わせるボトムアップ法と呼ばれる手法で、微細な筒状物質「ナノチューブ」をつくり出すことに挑んだ。白金イオンとビピリジン、エチレンジアミンから成る一辺約1ナノメートル(ナノは10億分の1)の正方形状の金属錯体と、ヨウ素を室温で反応させ、正方形状の金属錯体がヨウ素を介してつながった四角柱状のナノチューブを作製することに成功した。

このナノチューブは、筒状の内孔部に水やアルコールの分子を取り込める一方、窒素や二酸化炭素の分子は取り込めないことが分かった。

ナノチューブは、さまざまな分子を取り込んで吸着する性質以外にも、導電性や高い耐久性を持つことから電子デバイス材料への応用が期待されている。今回の成果は、構成要素(パーツ)となる金属イオンや有機分子を組み換えることによって、いろいろなサイズの細孔や形状、性質を持つナノチューブを作製できる可能性を示したものといえる。今後、ガス分子に対して敏感に応答するセンサー材料や、ガス吸着能力と導電性を併せ持つ新たな多機能電子デバイスへの応用が期待できる、と研究グループは言っている。

ナノチューブは、1991年に飯島 澄男 氏(名城大学大学院 教授)が発見したカーボンナノチューブが有名でさまざまな応用が期待されている。しかし、作製に1,000℃以上の高温が必要なことから、いろいろなサイズや形状のものをつくることは難しいとされている。

この研究は、科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)の研究課題「錯体プロトニクスの創成と集積機能ナノ界面システムの開発」(研究代表者:北川 宏 教授)の一環として、また大型放射光施設「Spring-8」の研究課題として行われた。

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