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立体断層映像瞬時に表示できる診断技術開発

2011.01.21

 光を当てるだけで体の組織の立体映像が得られるオプティカル・コヒーレンス・トモグラフィー(OCT)の新たなソフトウェアを開発し、立体断層映像をビデオカメラのように瞬時、連続的に表示することに、大林康二・北里大学大学院医療系研究科教授と池田練造・株式会社システムハウスつくば事業所長らが成功した。

 組織を切り取らなければならないバイオプシー(生検)と異なり、患者の負担が小さいがん診断法となることが期待できる、と開発チームは言っている。

 OCTは反射してくる光の干渉を利用することで立体映像を表示できる。コンピューター断層撮影(CT)、超音波、核磁気共鳴画像法(MRI)、ポジトロン断層法(PET)などほかにも組織を切り取らずにできる診断法はあるが、いずれも分解能が低くバイオプシーのように初期の小さながんを見つけることはできない。

 一方、これまでOCTも膨大な測定データの処理に何時間もかかるという弱点があった。新しく開発されたソフトウェアにより、12分の1秒で取得された縦横1.5センチ、深さ4ミリの3次元立体断層画像をわずか1秒で処理できるという。

 この成果は、科学技術振興機構の産学イノベーション加速事業「先端計測分析技術・機器開発」の一環として得られた。

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