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NEDOリヨンでスマートコミュニティ実証事業

2011.01.01

 情報通信技術を活用したエネルギー効率が高い都市「スマートコミュニティ」をつくるための実証事業を、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がフランス・リヨンで始める。

 「スマートコミュニティ」は、既に日米が協力してニューメキシコ州で実証事業を始めている「スマートグリッド」の考え方をさらに広げた新しい地域形態をいう。スマートグリッドが電力需給の効率化を核にしているのに対し、熱や未利用エネルギーも含めたエネルギーを地域単位で統合的に管理し、さらに交通なども融合した次世代の社会システムとされている。

 NEDOがリヨン市と周辺地域を含む「リヨン共同体」と共同で実施する実証事業は、新設されるビルに消費されるエネルギーよりも多くのエネルギーを生み出す技術を導入し運転管理するほか、電気自動車の課金、認証システムを含めた充電インフラの構築、太陽光発電遠隔監視システムの導入などを含み、導入効果や電力の需給バランスへの貢献を実証する。

 事業期間は2015年度まで。既に委託企業として東芝、東芝ソリューションが決まっており、両社は3月末までに実施可能性調査を行う。

 NEDOはスペイン政府・産業技術センターと共同でスペインでも同様の実証事業を進める計画で、委託企業の公募も始めた。

 経済産業省は昨年1月、「スマートグリッドに関する国際標準化ロードマップ」を発表している。この中で、スマートグリッドにかかわるビジネスの拡大や世界各国へ向けての技術の普及を図るために、「送電系統広域監視制御システム」「配電網の管理」「電気自動車」など7つの事業分野の標準化を進める方策を明示した。

 これに基づき、昨年2月には官民が協力してスマートグリッド社会実現のための課題に取り組む組織「スマートコミュニティ・アライアンス」が設立され(NEDO内に事務局)、5月には大学、メーカー、電力会社など28法人が、日本版スマートグリッドの基礎技術確立を目指し共同で実証事業をスタートさせた。東芝は東京大学、東京工業大学、早稲田大学、日立製作所、明電舎、三菱電機、電力中央研究所、東京電力とともに28法人の幹事社になっている。

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