ニュース

若手研究者の内向き思考も問題に

2010.11.11

 10日から始まった「元気な日本復活特別枠」公開ヒアリングで、文部科学省から若手人材の「内向き思考」と「伸び悩み」の現状に強い危機感が示された。

 文部科学省の示した資料によると、2008年に米国へ留学した日本人は3万人を割ったのに対し、中国人は10万人近くまで急増している。10年前に比べると日本は7割に落ち込み、中国は2.1倍と顕著な差が付いている。06年の博士号取得者も日本の約8,100人に対し、中国は約23,000人と大きな差を付けられている。2000年時点ではほとんど差がなかったのが、ほぼ横ばいの日本に対し、中国の伸びが目立つ。ちなみに米国の06年の博士号取得者は約305,000人とさらに多く、中国ほどではないがこの数年は着実に数を増やしている。

 ノーベル賞のきっかけとなる業績は30代をピークとする若い時期に集中している実態があるが、大学教員に占める30-35歳の若手研究者の割合も減少している。01年に11.3%だったのが07年には9.8%まで落ちている、という数字も示された。

 「元気のない・元気の出ない」日本の若手人材を活かす方策として、文部科学省が特別枠に要望したのが、「『強い人材』育成のための大学の機能強化イニシアティブ」と「成長をけん引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアティブ」。「メディカル・イノベーションを担う国立大学付属病院の教育研究環境の充実」、「博士課程教育リーディングプログラム」「科学研究費補助金(若手の『チャレンジ』支援)」などさまざまな名目の要望が盛り込まれている。

関連記事

ページトップへ