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薬用植物の持続可能な管理と取引定めた基準改定

2010.09.14

 薬用植物の持続可能な管理のために世界自然保護基金(WWF)ドイツやトラフィックなどが設立したフェアワイルド・ファウンデーションは、薬用植物の採取や取引について定めた基準を改定した。

 新たなフェアワイルド基準は、植物の専門家や世界各地のハーブ製品業界の代表者たちとの議論を経てつくられた。公平な取引と薬用・アロマティック(芳香)植物の持続可能な採取の両方を盛り込んだものとなっている。フェアワイルド基準に合致している企業を認定する機関、IMO(the Institute for Marketecology)によると、今年、野生植物採取を行っている13カ国の23企業がフェアワイルドの認証を受けようとしているという。

 フェアワイルド基準は、企業だけでなく、自然資源の管理計画など多くの国の政府機関が利用し、生物多様性条約にも貢献している。トラフィックは、10月に名古屋で開かれる生物多様性条約締約国会議(COP10)の開催期間中、会議場周辺で「薬用・アロマティック植物セミナー」を一般、会議参加者向けにそれぞれ開催し、ケニアやブラジルから招いた先住民から野生植物の採取にかかわる体験談、知識を聞くことなどを計画している。

 食品・化粧品・薬に使われる植物の取引は年間40トンを超し、多くは野生植物が占める。これら薬などに使われる5万−7万種の野生植物のうち、約1万5,000種が過剰な採取や生育域の喪失によって危機にさらされているとみられている。

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