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準天頂衛星「みちびき」打ち上げ

2010.09.13

 衛星を利用した位置決定の精度向上を目指す準天頂衛星システムの1号機「みちびき」が11日夜、種子島宇宙センターからH-ⅡAロケットで打ち上げられた。宇宙航空研究開発機構は、太陽電池パドルの展開と第1回アポジエンジン噴射ガ正常に行われたことを12日、明らかにした。

 現在、カーナビなどに不可欠な衛星を利用した位置決定技術は、米国がデータを提供している衛星利用測地システム(GPS)に頼っている。GPSは30機の衛星によって運用されているが、準天頂衛星システムはこれらの衛星とは軌道が異なるのが特徴。最終的に3機の衛星を打ち上げると、天頂付近に必ず1機の衛星が見えるように軌道が設定されているため、地形や高層ビルなどに影響されにくい長所を持つ。

 「みちびき」による技術の蓄積、評価を経て2号機以降の衛星打ち上げが予定されており、3機運用体制が実現すれば、GPSと観測データ・信号を提供し合うことで、全国をほぼ100パーセントカバーする衛星測位サービスが可能になると期待されている。

 GPSに依存しない衛星利用測地システムを目指す取り組みは、各国が力を入れている。宇宙航空研究開発機構によると、ロシアが既に21機の衛星による「GLONASS」を運用しているほか、中国も「COMPASS(北斗)を一部試験運用中。さらに欧州が「Galileo」を実験中で、インドもIRNSSの開発を進めている。

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