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環境・消費者団体がヒートポンプの効率表示批判

2010.08.20

 温暖化対策で期待が高いヒートポンプに不当な効果評価など問題があるとして、環境NGOなどが「ヒートポンプ問題連絡会(仮称)」を発足させ、監視していくことを明らかにした。

 気候ネットワーク、グリーンコンシューマー東京ネット、日本環境法律家連盟など環境NGOや消費者団体など8団体は、「省エネ型エアコン」の省エネ効率を示す表示の数値が意図的にかさ上げされている疑念があるとして、エアコンメーカー8社に公開質問状を送りつけた。

 この結果、ヒートポンプ効率を示すCOP(冷暖房平均エネルギー消費効率)やAPF(通年エネルギー消費効率)など日本工業規格(JIS)による表示は、使用時の実性能と大きく乖離(かいり)するなど、消費者を欺く情報工作がなされていたことが明らかになった、としている。

 また、ヒートポンプの冷媒で、温室効果が二酸化炭素(CO2)よりはるかに高いフロンの大半が最終的には大気中に放出されている実態も指摘し、ヒートポンプを地球温暖化対策の有力手段とすること自体に疑問を投げかけている。

 気候ネットワークによると、8団体の公開質問状に対し、業界最大手でフロンも生産しているダイキンからは回答がなかった。エアコンの効率表示で、表示性能を上げるためだけの機器の工作があったかどうかについて、シャープは「なかった」と回答、三菱重工業、三洋電機、パナソニックは「JIS 規格に基づいた性能評価、表示だった」と回答し、工作の有無を明らかにしなかった。

 しかし、残る3社は「JIS 規格による測定状態は必ずしも実使用状態と一致するとは限らない」(日立)、「ユーザーの実使用では出現しにくい試験条件設定で性能評価を行っていた時期がある」(三菱電機)、「過去において、室温がある範囲に入ると風量を上げるという仕様を織り込んでいたのは事実」(東芝)など問題があったことを認めている。

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