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空気中の酸素だけ吸着する新材料合成

掲載日:2010年6月8日

ほとんどが酸素と窒素からなる空気から、酸素だけを取り込むことができる新しい方法を京都大学などの研究チームが見つけた。

京都大学・物質-細胞統合システム拠点の北川進・副拠点長・教授、松田亮太郎・特任准教授、下村悟・特別研究員らが見つけ出した方法は、酸素と窒素それぞれが持つ電子の振る舞いの違いを利用したところが特徴。酸素とだけ電子のやりとりができるテトラシアノキノジメタンという多孔性材料を合成し、空気中の酸素だけをこの物質の微小な孔に取り込ませることに成功した。

気体中の特定の物質だけを多孔性材料に取り込ませる方法自体は珍しくない。活性炭やゼオライトなどの多孔性材料によって特定の物質だけを吸着してしまう消臭剤や吸着剤などが商品化されている。しかし、酸素と窒素は分子の大きさがほとんど変わらないため、従来の方法でどちらかの分子だけを吸着してしまうことは不可能と考えられていた。

新しい考え方に基づく多孔性材料によって酸素を空気中から効率よく分離できれば産業的にも有用な方法になり得るほか、大気中の有害ガスを効率的に除去する方法などへの応用も期待できる、と研究チームは言っている。

この成果は、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業ERATO「北川統合細孔プロジェクト」(北川進・研究総括)によって得られ、新しい多孔性材料の合成には、高輝度光科学研究センターの大型放射光施設「SPring-8」が活用され、同センターと理化学研究所の研究者たちが協力した。

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